入院した日

 

事前に渡された入院の手引きを参考に準備をしました。

 

未成年のみの閉鎖病棟であり、生活のルールはかなり厳しかったように思います。

 

 

持ち込み禁止のもの

・紐状のもの(パーカー紐、イヤホン等)

・尖っているもの

・お金

・洗剤類

・携帯電話  などなどなど・・・

 

 

荷物を持って手続きを済ませ病棟へ向かうと、看護師さんが腰にジャラジャラ付けた鍵のひとつで重いドアを開けました。

ドアの奥にはガラス張りのドアがありました。二重扉です。

後にこれはガラスでなくプラスチックだということが判明します。

 

 

病棟へ入ると患者さんに囲まれました。

年齢、彼氏の有無、身長、体重、胸の大きさまで質問攻めにあいました。

一見普通の子もたくさんいたし、明らかにおかしな子もいました。

 

看護師さんが止めに入り、わたしを病室へ連れていきます。

そこは監視カメラのついた個室でした。

介護用のようなベッド、透明の壁に囲まれた便器、小さなゴミ箱、椅子。

これだけしかない冷え冷えとした部屋です。

鍵をかけられ、ご飯も部屋で食べます。二日に一度のお風呂と、夜に公衆電話から母に連絡するとき以外は出る事はできません。

 

その日の母のことは憶えていません。

きっと泣くのを我慢していたことでしょう。

 

最初から大部屋のひともいるし、個室スタートでも長くて一ヶ月 で出るその個室で、わたしは三ヶ月暮らしました。

 

理由は未だにわかりません。

 

ただ長い長いだけの入院生活が始まりました。

 

 

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入院した日、ちょっとワクワクしたよね。

何も考えなくて済むと思ったよね。

ゆっくり休んで。